港町 YOKOHAMA

先日、横浜市林文子市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を正式表明したことにより、国内3カ所にIRを作るという誘致合戦が一気に熱を帯び始め横浜がニュースに度々登場し出しました。

そもそもMICEに関しては市の港湾活性化戦略として長らく議論がなされてきたわけですが、IRとなると市民感情に配慮してか具体的な進展がなかったのがここ数年間の表層の市政の動きでした。

 

【平成24年 横浜市MICE機能強化に向けての提言書】

 

今年は日米和親条約による開港から160周年の年となります。外国人と話す機会がありますと、お互いの住んでいる話の中で、KANAGAWAは通じませんがYOKOHAMAは通じます。

IR誘致に関する是非や成果は、記事や他国に譲るとして、歴史的に国際的門戸を開いてきた港湾YOKOHAMAの名前、歴史的名所、食べ物等に関するものはいくつも残っているものの、経済的な観点ではいつも東京に吸い上げられてきた街だと感じています。

TOKYOには行って何をした、どこへいったはあっても、たった40キロしか離れていないこの街にはインバウンド需要があまりないのが現状といえます(東急東横線、JR上野東京ラインもあるのに笑)

それを解決する一端となりえるのがMICEを含んだ港湾都市YOKOHAMAの頼みの綱といえそうです。

 

横浜市政として地政学的に港町であることの港湾戦略強化を掲げています、2019年の市の予算、港湾事業に割くのは昨年の2倍です。

3つの優れた港を持ち、豪華客船が7隻、100船も停泊できる世界最高レベルの港があります、このレベルは世界を見ても3港しかありません

それがアメリカはマイアミ、シンガポール、そして日本のYOKOHAMAです、あまり知られてない事実です。豪華客船クイーンエリザベスが初代、2代目と寄港を横浜港にしておりますが、なんと3代目は離発着が横浜港となりました。

実は年々、豪華客船の離発着が増えており9月は2日に1回以上のペースで大さん橋に寄港しています。

【横浜港客船入港予定 2019年スケジュール】

 

足元である中区は中華街、元町、マリンタワー、本牧、みなとみらい、色んな個性的な魅力を持つ街があふれています。

ところが東京からは、泊まってまでも来るまでのスポットがなかったり、遊びに来ても帰られてしまう街ではあります、そしてインバウンド需要もあまりない、そりゃそうです豪華客船は寄港するだけなのです。

単純に公共インフラで考えますと西区である「みなとみらい」のほうに近年、圧倒的に集客力が偏ってしまったという事情がある気がします、この沿岸地区でも西区と中区の境目がクイーンズスクエア〜大さん橋あたりと街づくりの開発時期が全く歴史的に違うわけです、市政もそうでしょう回帰しているわけです。

そのため地政学的に売り出そうとしても時代の公共インフラが海上交通でも主流になっていなければ違うのです。事実、神奈川県全般を捉えるならドライブで来るには楽しい街とは言われます、でもたまには海上クルーズを楽しんで、シーガーディアンでカッコつけてみませんか。

【横浜クルージング】

 

また今年は第七回アフリカ国際会議やラグビーワールドカップの開催など世界に横浜がお披露目される機会が多くあります。2020年の東京オリンピック開催年には市庁舎移転に伴う再開発、これからの横浜は世界中の人、国内需要も含めていかに滞在型の経済需要をどのように取り込んでいけるのかが数年の課題となりそうですね。

【ハマコレ横浜 横浜市庁舎跡地に商業施設や星野リゾートによるホテルなど開業

 

最後に、港町YOKOHAMAを多面的に理解する上で、また港湾都市事業の立役者、この方の著作をおすすめします。

ミナトのせがれ 著作 藤木幸夫